しかも、決勝がなぜか土曜の朝早くに行われることも付け加えておかなければなるまい。毎年のことだが、遠出になるため朝8時前には出発する必要がある。休日朝に、わざわざ早起きするくらいならTVで済ませてしまいたいのは、自分だけではないはずだ。
そんな前段はさておき、準決勝である。
名古屋vs川崎Fは、事実上の決勝戦だった。クラブユースということもさることながら、統一された意思を感じる戦いぶりには脱帽するところも大いにあった。
名古屋はフォーメーション練習を何度もこなしているのだろう。何気なくクリアやパスをしているように思えるが、その先には必ず味方がいる。大人にとっては何気ないことだが、実は視野が広がる以前の子どもたちにはかなり難しい。
対する川崎Fは「3〜4人で攻め、11人で守る」典型的な速攻型のチームだ。瀬川ヤーシャをはじめとするアタッカー陣は日本一と言ってよいだろう。また、攻撃陣が封じられたあとも、驚異的なセットプレーでゴールをこじ開けてしまう。幾つかのバリエーションが徹底されており、セットプレー練習に相当の時間を割いていると見られる。
その反面で、守備の粘り強さはかなり失われていた。数年前は横浜FMプライマリー(新子安)をはじめ、容易に相手の懐に飛び込まず、守備組織を作り上げる巧さがあった。
確かに、前線からのプレッシャーは激しいと言えるものがある。しかし、それを強調しすぎるあまりか、逆襲を食らった際に決定機に持ち込まれるシーンが非常に多い。攻撃面では洗練されているものの、守備面では動物的嗅覚に頼っているのだ。
組織的守備から、洗練された攻撃サッカーへ。その弊害として精神的なもろさを感じたのは、これらが表裏一体であることの証明なのだろう。
日本のサッカー界は一つの転換期を迎えつつある。そんな確信を抱かせる大会だった。
最後に一つ書き残しておきたい。
終了のホイッスルが鳴らされたあと、泣き崩れる川崎Fの選手を名古屋の選手が抱え起こす。川崎Fのゴール前で起こった一つのシーンは、やがてセンターサークルにも波及。白と赤のコントラストが会場をも巻き込む感動となった。
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